リベラリズムの終わり その限界と未来 萱野稔人著 【続き】
パイの分配論において、現代リベラリズムの古典、ジョン・ロールズ著『正義論』の読み直しも府に落ちた。
ロールズのリベラリズムは功利主義的で条件付きリベラリズム。けっして無条件ではなかった。
そもそもパイの分配はリベラリズムに基づく哲学原理ではなく、功利主義、ナショナリズムに基づく原理。リベラリズムの限界を認識した上で、分配論については別の哲学原理を機能論的に適用。
というか、パイの分配については我々は無自覚にナショナリストになっている…
J・S・ミル由来の個人の自由を尊重する古典的リベラリズムから、平等を求める現代リベラリズムへ何故飛躍したのか?またそこから派生したリバタリアニズム。その考察も一読価値あり。